本気の恋の始め方
時計の針は深夜を大幅に回っている。
床の上には、散乱したバスタオルが散らばっていて、「心配した」という千野君の言葉が真に迫る。
「ごめんね……」
上半身を起こそうとすると、
「だめだよ、起きたら」
慌てたように、私の体をベッドに戻そうとする。
「ううん、もう大丈夫だから。それより本当にごめんなさい……」
「謝ることなんかなにもないでしょう。それよりお水、飲みますか?」
ミネラルウォーターのミニペットボトルを私に手渡しながら、体を起こした私の隣に腰を下ろす。
「ありがとう……あっ!」
お水を飲もうとしたら、ペットボトルをうまく持てなくて落としてしまった。
すぐに千野君がペットボトルを起こしてくれたから大した被害にはならなかったけど、お布団の表面が少しだけ濡れて、ものすごく、悲しくなった。
あーあ……
私、なにやってるんだろう。
空回りしてる自分が空しくなってくる。