本気の恋の始め方

「やだ、もうっ……!」

「潤さん、ごめん、そんなしっかり見てないから、そのすげー慌ててたし、だから」



すごい自己嫌悪。

どうして私、スマートに恋出来ないんだろう。

どうして人を困らせてばっかりなんだろう……。



「ごめんね、千野君、私、ほんと……恥ずかしい」



膝を引き寄せて顔をうずめた瞬間、

「あーもう……だからそうじゃないって……」

千野君にぐわっと乱暴に、抱き寄せられていた。



「っ……」

「そんな困った顔、しないで」



耳元で響く千野君の声。

吐息が触れて熱い。



「勘違いかもしれないけど……俺が泊まるから、意識した?」

「――」

「だからお風呂から出られなくて、のぼせた?」



悲しいくらい、ばれてる……。

下手にごまかしてもきっとバレバレに違いない。


呆れられることを俯いたままこっくりうなずく。



「俺が怖い?」

「えっ……」



顔を上げると、甘く瞳を輝かせた千野君が私をじっと見つめていた。




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