本気の恋の始め方

「あーあ……昔のこと、格好悪いから言うつもりなかったのに」

「千野君……」

「だけど仕方ないですね。俺、最初はカッコつけて、年の差を埋めたくて、いい男ぶろうとしちゃったし。

だけどすぐに化けの皮はがれちゃって、みっともないところも見せたし……」



るうくんがらみで、激しい嫉妬心をぶつけられたことを思い出した。



「俺はあなたにずっと恋わずらいしてて……好きで、好きで……遠くから見てるだけのあなたが欲しくてここまできて……」



そしてシーツの上で私をぎゅうっと抱きしめる。



「俺、潤さんが思うような、恋愛経験豊富な男じゃない……。こうしているだけでも幸せを感じるお子さまなんです」



どこかふっきったような笑顔。



「だから、ゆっくり俺に恋してください。焦らなくていい」



千野君は大きな手のひらで私の髪を撫で、頬を撫でてささやく。



「ゆっくり……?」

「俺も、そうしたいんです。こうやってる奇跡、もっと楽しみたいんだ」





< 258 / 446 >

この作品をシェア

pagetop