本気の恋の始め方
「は!? 皮はたれに決まってるでしょ、たれのこの甘さでごはんが進むんだから!」
鮎子さんがぶーぶーと唇を尖らせて、パクパク食べながら隣に座る彼を見据える。
「塩のほうが素材本来の味を楽しめるし、酒も進むというものでは」
「酒が進むって、あんたまだ十代でしょ!」
「――」
『なに言ってるんだ』って冷ややかな目で、そんな鮎子さんに視線を向ける彼――。
私は黙って、目の前で繰り広げられる二人のやりとりを見守っていた。
ぜんぜんかみ合ってない、まるで喧嘩してるような雰囲気だけど、どこかお似合いって感じでもある。
というか、言葉は冷たそうに聞こえても、五所野緒さんの鮎子さんを見る目はとても優しい。
「二人はいつからつきあってるんですか?」
「えっ!?」
私の質問に、鮎子さんが目を丸くした。
「だから、いつから……」