本気の恋の始め方

恥ずかしさのあまり、そのままテーブルにごつんと額を押しつける。


もう、顔見れない……。



「潤」



なのにるうくんは、とても落ち着いた声で私の名前を呼ぶ。



「潤……」



顔を上げると、彼は切れ長の瞳を細めて心配そうに私を見つめていた。



「おまえ、今幸せか?」

「――」



質問にすぐに答えられなかった。


以前にもるうくんに聞かれたっけ。

幸せかって……。


あの時、私はうなずいた。

ゆっくりだけど、幸せな気持ち、感じてるって……。


初めて一方通行じゃない恋をしたから。


じゃあ、今はどう?

一方通行じゃないって言える?


千早は私を見ていないかもしれないのに……。





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