本気の恋の始め方

二人はソファーの上で「きゃあ!」と声を上げ、目をきらきらと輝かせながら私に顔を近づける。



「え……あ、うん。そう。会社のひと……ちょこっとだけつきあって、だけどふられちゃった……んだけど……」



ふられた、と口にした瞬間、唇が震えた。

笑おうとしたのに笑えなかった。



「潤さん?」



あっと思った瞬間、ぽろりと涙が溢れた。


別れ際の千早の顔、声がフラッシュバックする。



私が偏屈だったから、自分のことしか考えられなくて、千早を信じられず、ふられてしまった。




彼が愛想をつかすのも仕方ない。

私だってこんな自分が嫌いだ。

好きになんかなれない。



それが現実

今更どうしようもない。


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