本気の恋の始め方
中はなんていうか……男の子の部屋!ってかんじ。
散らかってはいないけれど、はやりのマンガが並んでいたり、おしゃれジャージとか壁に掛かってて、小悪魔系の可愛いサチさんには正直似合わなかった。
「あたし、女の子になりたい男だけど、趣味は男っぽいの」
部屋の中をじろじろ見てたせいか、そんなことを言われて慌てて頭を下げる。
「じろじろ見てごめんなさい」
「別に謝らなくてもいいけど。お茶とか出さないからね」
「はい……」
歓迎してもらえるとは思ってなかったし……という言葉は飲み込んだ。
ここを訪れたのは、一か八か。
まさか部屋に入れてもらえるとは思わなかった。
千早と同じで、きっと優しい人なんだと思う。
かたくなに話を聞こうともしなかった私とは大違いだ……。
少し緊張しながら、サチさんへと向き合った。
「お願いがあるんです」