本気の恋の始め方
「今いくー!」
テトラポットの上から見下ろす砂浜では、着々とBBQの準備がされて、千早のお友達らしき男の子が手を振っていた。
だけど――
なんだかすっごく人が多くない?
てっきり10人かそこらだと思っていたのに、そこにいるのは一クラス位いそうな雰囲気。
「ずいぶん大きな集まりになったのね」
「ああ、ここの別荘持ってるの、御子柴だから顔は広いですしね」
御子柴……って。
「え、あの『赤と黒の蜘蛛』の御子柴律?」
「はい」