本気の恋の始め方
っていうか、きっとセレブだ。
雰囲気がまるで違うもの。
ドキドキする……。
ほおっと周囲を見回していると、
「やあやあ、ちーくん! それが噂の彼女?」
白っぽい金髪の上半身裸の男子が、ニコニコしながら近づいてきた。
手には缶ビール。
あちこちにはねた無造作風な髪は、赤いカチューシャでとめられている。
「あ、御子柴律っ!」
失礼にも呼び捨て、さらに指をさしてしまった私を見て、
「ん?」
御子柴律は一瞬首を傾げたけれど
「ご、ごめんなさい、失礼しました!」
慌てて頭を下げた私を見て、大きな口を開けてワハハ、と笑った。