本気の恋の始め方

っていうか、きっとセレブだ。


雰囲気がまるで違うもの。

ドキドキする……。


ほおっと周囲を見回していると、


「やあやあ、ちーくん! それが噂の彼女?」


白っぽい金髪の上半身裸の男子が、ニコニコしながら近づいてきた。



手には缶ビール。

あちこちにはねた無造作風な髪は、赤いカチューシャでとめられている。



「あ、御子柴律っ!」



失礼にも呼び捨て、さらに指をさしてしまった私を見て、


「ん?」


御子柴律は一瞬首を傾げたけれど


「ご、ごめんなさい、失礼しました!」


慌てて頭を下げた私を見て、大きな口を開けてワハハ、と笑った。




< 431 / 446 >

この作品をシェア

pagetop