本気の恋の始め方
「いやいや、いいけど」
そして彼はキラキラと輝く猫のような目で私と千早の顔を交互に見比べる。
「紹介してくださいよ、千野さん。以前Guido Fawkesにも連れてこられましたよね?」
「覚えてるんだ」
なぜか苦笑する千早。
「もちろん。千野さんが初めて連れて来た女の子ですから」
彼の瞳が私の前にしっかりと向いたから、ペコッと頭を下げた。
「さっきはごめんなさい。三木潤といいます。今日はお招きくださってありがとう」
「いえいえ、キレーなお姉さんは大歓迎ですから~♪」
どう見たって二十歳そこそこの彼からして、年上の私が大歓迎だなんて少し言い過ぎだと思ったけど、本当にニコニコしてるから、あまり嫌な気にはならなかった。