本気の恋の始め方

そんな私の驚きが彼に伝わったのか、

「まぁ、俺としては、もちろん面白いからやってるんだけどね」

と、あっけらかんと言い放ち、そして椅子の上に膝を抱えるようにして座る。


白っぽい金色の髪がさらりと揺れ、頬にかかる。



「俺、人間が大好きだからさ。死ぬまでたくさんの人に関わっていきたいと思ったら、自然となるようになったっつうかね」



人が好き……。


それは嘘でも誤魔化しでもなく、社交辞令でもなく。本当のように思えた。


人が好きだから人に好かれて、自然と彼の周りに人が集まるんだろう。

彼らが『赤と黒の蜘蛛』の主宰として数々の成功を収めているのは、才能はもちろんのこと、きっと彼自身の魅力も大いに関与しているように思えた。



「あ、でも俺がこうやって潤さんに過剰に親切なのは、タイプだから。そこ勘違いしないでね?」



御子柴律がにっこりと微笑みながらうそぶく。



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