本気の恋の始め方
「もう、そんなこと……」
感心していたのにはぐらかされたような気がした。
タイプだなんて言っても、ハタチの男の子からしたら、二十代半ばの地味OLなんて対象外だと思うけど……
まぁもちろん。冗談とわかっていても決して悪い気分にはならない。(もぞもぞするけど……)
この子、天然のたらしなんだ。
「本当だよ」
笑う私を見て、彼はやや釣り目ぎみの瞳を細める。
眩しいくらいの太陽光が彼の金髪に降り注ぎ、両耳にびっしりとつけられたルーズリーフのようなピアスが、キラキラと輝く。
汗が、こめかみから続くシャープなあごのラインを伝う。
人懐っこく見せかけて男らしい色気を感じて、なんだか急に悪いものを見たような気がした私。
「そんな……」
焦ってうつむく。
「自己評価が低いんだね。珍しい。千野さん、大事にしてるっぽいのに。もしかして本当は違う? 可愛がってもらってない?」