ちよちよみちよ



「それより、一(はじめ)、花の高校生がこんなに早く帰ってきちゃっていいの? 明後日から夏休みでしょう。デートする女の子とかいないわけ」

「知ってるクセに聞くなよ。いねえだろ」

「そうよね、やっぱり」

みちよは演技じみたガッカリをしてみせる。

「あんた、部活もやってないでしょう。軽音部ないの? 軽音部」

「なんだよ、軽音部って。一応、僕、書道部だけど」

「えー、男の子が書道部? そうなの? ダッサイなー」

おいおいおい、それが母親の台詞か?
書道部という名の帰宅部の、いったいどこがダッサイのだ。
文句あり気にみちよを見ると、メイクもバッチリ決まっている。長い睫毛にキラキラ光る物までつけてやがる。さすがだ。そりゃあみちよに比べたら、僕はダッサイかもしれない。


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