偏食家のテーブル
「ごちそうさまでした。」
ハルカはその言葉を絞りだし、コップの水を飲み干した。
ミッション終了。
まさにやっつけた。まさにオツカレさま。
今日の敵はツワモノでした。カナは客観的に分析した。
今夜はテレビを点けていなかった。テーブルを運んだりしていたのもあって、バタバタしていたから。ハルカはその無音の状態を楽しむようにカナを見つめる。
「ねぇ?」
約15分ぶりの会話がハルカから始まる。
「ナニ?」
「今日はドコに行く予定だったの?」
「エっ!」
「オトコ?」
ハルカは親指を立てて聞く。
「ち、違うチガウ!」
カナの慌てぶりに確信を得たハルカは
「イイなぁ〜、カナはモテるから。」
「違うってば!」
ハルカに悪気はない。ハルカにとってカナは、この世の全てのオトコの対象となるオンナだった。ハルカはカナがイイと思ったオトコはカナの手に入ると思っていた。実際の話、そうなのだが、やはりそうもいかないのが山本加奈子。今の彼女は、世の男達にとって今野瀬遥よりも恋の対象にならない。つまり本当の意味でモテていない。カナに傷つく勇気と、そうさせる男がいない。
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