あなたを抱けなかった理由
店長と、高野さんは高校時代の同級生で、小さいけれど地元に密着した不動産やを経営している。

そして、少しづつ業務を拡大しているのだと説明された。

だから、人手が足りないと。




高野さんは、会ってみると想像したよりもずっと若くて、社長という肩書が全く想像できない人だった。
小さい男の子のお父さんだという高野さんは、どこからみても温かいお父さんの顔だった。





でも、高校を中退した私なんかで役に立つのかと正直に不安を言うと、「それは、君の働きを保証してくれる友人がいるから大丈夫だよ」とフワッと笑った。



そう、たぶんその笑顔を見れたから、私は「お願いします」と頭を下げた。
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