花街妖恋
「お若そうなのに、口調がやけに・・・・・・」

「わしが、若い?」

「ほら。ご自分のこと、わしって」

 袖で口元を隠し、くすくすと笑う。
 その様子は可愛らしく、腹を立てるどころか和んでしまいそうな感じだ。

「お主こそ・・・・・・」

 不思議な女だ、と思い、だが九郎助は言葉を呑み込んだ。

 位の高い天神でありながら、居丈高なところもない。
 遊女仲間にも慕われているようだ。

「ねぇ九郎助様。あとで着付けを手伝ってね」

 にこにこと言い、部屋にさがっていく玉菊を、九郎助はぼんやりと見送った。
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