両想い【完】
「さっきの美愛
背中が泣いてた…
あんたなんかどうなったっていいけどっ、
ナンパされて、もし、なんかあったら
あたしは一生恨んでやるからっ!!」
そう言い捨て、山野は駅へと走っていった。
***
俺はクラスメイトに断り、やはり駅へと向かった。
きた電車に乗り込み、西中央で降りる。
そこで、美愛に電話をかけてみる。
「…は、い」
泣き声の美愛…
「今どこ?」
「い、ま…乗り過ごして…折り返すとこ…」
「俺は西中央にいるから、
ちゃんと待ってるから
会いたいからっ!」
電話に向かって恥ずかしげもなく叫んでいた。
「ん、わかった…
あ…電車、きた…」
ツー、ツー、ツー
***
電話が切れてから3分くらい経つと電車がホームに入ってきた。
俺は朝、いつも美愛が立ってる辺りで待ってた。
人が降りてくるが、美愛は小柄だからか、よく見えない。
焦りから思わず『美愛っ!』と大声を出して一斉に注目を浴びてしまった。
ヤベェ…そのままホームの壁際まで後退りすると、右肩をトントン…
ハッと見ると目の周りが赤く腫れているように見える美愛が立っていた。
俺はここがホームとか忘れて強く強く、強く抱きしめた。