両想い【完】
「美愛…美愛…ごめんな…」
腕に閉じ込めて美愛を体全部で感じる。
電車がホームを出ていき、しばし人が少なくなる。
嫌だったけどここからは出ないとと、体を離して手を握りしめ、急ぎ足で改札を抜ける。
美愛は一言も話さず、ただ俺に引っ張られ、ついてくる。
***
駅から離れやっとゆっくりと歩く。
半歩くらい後ろを、手を引かれながら俯き加減でついてくる美愛。
***
美愛の自宅近くの公園のベンチに座る。
昼を食べてないけど今はそれより美愛を感じたくて、話がしたくて仕方がなかった。
1時過ぎで冬の陽射しとしては一番強い時間帯だが、風は冷たく、俺は見えた自販機でホットミルクティと、コーヒーを買いまたベンチに戻った。
その間も美愛は足元をみたまま、じっとしている。
膝の上の手にミルクティを持たせると、ピッタリと隣に座り、左肩に抱き寄せた。
「美愛、俺が…バイト増やして、
寂しかった?」
コクンと頷く。
「バイト、寂しいから始めた?」
また、コクン。
「今日の昼飯、俺から連絡ないから
一緒じゃないんだって、
クラスの女は一緒なのにって
思った?」
もう1度頷く。