雨夜の密会
「いい匂い!お腹減った〜!」
鳴海さんはそう言って茶トラの夏を抱く。
「あっ!」
「ん?どした?」
夏を抱いたまま鳴海さんがキッチンに来た。
「ご飯……」
「ご飯?」
「炊くの忘れた」
炊飯器を開けてビックリ。
中は空っぽ。
鳴海さんは子供のように笑う。
「パンがあるからそれで食べよ?」
「うん」
私はお皿にカレーをよそう。
それを鳴海さんはリビングのテーブルに運ぶ。
テーブルにはカレーとサラダ、ご飯代わりのパン。
「食べよ?」
「うん」
私と鳴海さんはテーブルに向かい合わせに座ると、カレーを食べ始めた。