雨夜の密会





「こんな楽しい食事、何年ぶりかなぁって……」


「えっ?」



その時、鳴海さんの顔がだんだん歪んで見えていく。


“ポタ、ポターー”


テーブルの上に涙が落ちていく。



「真緒、ちゃん?」


「ゴメン、なさい……。せっかく楽しい食事の時間なのに、泣いちゃって……ゴメンなさい……」


「いや……」



私は必死に笑顔を作ろうとした。


手で涙を拭っても拭っても溢れてくる。




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