雨夜の密会
「和臣さんとの食事は会話がなくて、いつも見えない壁があるみたいで……」
「うん……」
「こんな楽しい食事は何年ぶりだろうって……」
「そっか……」
「和臣さんは悪い人ではないと思うんです。ただ物静かな人だから……」
「真緒ちゃんは旦那さんを愛してるんだね」
「えっ?」
私は顔を上げて鳴海さんを見た。
私、和臣さんを愛してるのかな……。
自分の中では和臣さんを愛してるのか、よくわからない。
「だって、旦那さんの事で悩んでるって事は、そういうことだろ?」
鳴海さんはそう言ってニッコリ笑った。