雨夜の密会
鳴海さんの家を出た私は、気付くと自宅ではなく叔父さんの写真館の前に立っていた。
写真館のドアを開ける。
ドアを開けた時、来客が来たことを知らせるベルが鳴り、カウンターの中にいた叔父さんがこちらを見た。
「真緒!どうした?」
俯いていた私に叔父さんは驚いた声をあげる。
カウンターから出て来た叔父さんは私の前に立つ。
「真緒?何かあったのか?ん?」
顔を上げない私に叔父さんはそう言って、私の顔を覗き込んだ。
「和臣くんと喧嘩した?」
私は首を左右に振る。
「それとも、鳴海くんと何かあったのかな?」
叔父さんの言葉に私は顔を上げた。
叔父さんは優しい笑顔で私を見ていた。