雨夜の密会



鳴海さんの家を出た私は、気付くと自宅ではなく叔父さんの写真館の前に立っていた。


写真館のドアを開ける。


ドアを開けた時、来客が来たことを知らせるベルが鳴り、カウンターの中にいた叔父さんがこちらを見た。



「真緒!どうした?」



俯いていた私に叔父さんは驚いた声をあげる。


カウンターから出て来た叔父さんは私の前に立つ。



「真緒?何かあったのか?ん?」



顔を上げない私に叔父さんはそう言って、私の顔を覗き込んだ。



「和臣くんと喧嘩した?」



私は首を左右に振る。



「それとも、鳴海くんと何かあったのかな?」



叔父さんの言葉に私は顔を上げた。


叔父さんは優しい笑顔で私を見ていた。





< 124 / 139 >

この作品をシェア

pagetop