雨夜の密会



草むらをかき分け入った奥にある木の下。


そこに母猫と3匹の仔猫がいた。


眠る母猫のお腹の側で丸まってる仔猫。


可愛い〜!



「猫を刺激しないように静かにね」



鳴海さんはそう小声で言う。


私は手を口に当てた状態でコクコク頷いた。


鳴海さんは静かに腹這いになって、持っていた一眼レフカメラのファインダーを覗く。


シャッターを押して、猫の親子の写真を撮っていく。


何枚か撮ったところで、母猫が目を覚ました。



「戻ろっか?」


「うん」



鳴海さんは静かに立ち上がり、再び私の手をギュッと握った。


そして来た道を戻る。




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