雨夜の密会
「たまには夫婦で出掛けるのも悪くないぞ?新婚なんだし。子供が出来たら、なかなか出掛けられなくなりからな」
「涼さん、独身のくせによく言うよ」
「煩いよ」
叔父さんと鳴海さんの会話がおかしくて思わず吹き出してしまった。
「真緒も笑うことないだろ?」
「だってぇ」
「はい、真緒ちゃん?」
チケットを受け取らない私に鳴海さんはそう言ってチケットを手に握らせた。
「ありがとう……」
「楽しんでおいで」
「はい」
今日、和臣さんが帰って来たら聞いてみよう。
私はチケットをカバンに入れた。