雨夜の密会



水族館の中を全て見終わったら夕方になっていた。


私と鳴海さんは出口に向かう途中で、お土産物を売ってるショップに入った。


お菓子やヌイグルミ、雑貨とか海に関するものがいろいろ売ってある。



「何かいいものあった?」



鳴海さんがそう聞いてきた。



「このストラップ、可愛いなぁって」



いろんなストラップがぶら下がってるコーナー。


私はその中にあったマンボウのストラップを指差した。



「マンボウ、好きなの?」



鳴海さんがクスクス笑う。



「好きだよ。憎めない顔してるよね」


「確かにな。これ、買ってあげるよ」


「えっ?いいよ〜」


「いいから」



鳴海さんはマンボウのストラップを持ってレジに行った。


レジで支払いをする鳴海さんの後ろ姿をジッと見つめる。


支払いを済ませ、笑顔で鳴海さんが戻って来た。



「はい」



水族館の名前の入った可愛い袋を差し出してきた。



「ありがとう」


「いいえ。まだ見る?」


「ううん」


「じゃあ、出よっか?」


「うん」



私と鳴海さんはショップを後にした。




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