私の彼氏は冷たい彼氏
「行くか」
席を立つ遥に続いて、レジへ向かう。財布を出そうとすれば、遥が私の手を止める。手が触れただけで、心臓が高鳴る。
「な、に」
「…いいから」
無表情で言い、私の分までお金を払ってくれる遥。そのままファミレスを出た。
「遥っ…」
「……なに」
「お金返す、」
「いらねー」
スタスタと先を歩いて行ってしまう。必死に追いかけ、やっと隣に追いつく。
「遥、」
「いいから、ほんと」
「そんなの悪いよ…!さい、」
と、そこで言いかけてやめた。
”最後の最後まで悪いよ“
そんなこと言えば、もっと気まずくなる。
そんな私を遥は不思議そうに見つめる。
「……なに?」
「なんでもない…、ありがと」
無理矢理話を終わらせれば、遥も何も言わなくなった。
また会話もなく歩く。
最後くらい、笑ってよ…。