続・雪うさぎ~その後の二人のラブラブなお話…のハズ?~
「雅がどんなに強くても、多分俺には敵わないぜ?
俺、空手のヨーロッパジュニアチャンピオンだから。」

ニヤリと笑ってウィンクをしてみせると、『えぇ?スゴ~イ』と驚き、瞳を輝かせて試合の様子を聞きたがる。

それまでの恥ずかしげな表情なんて何処かへ飛んでいってしまったようだ。

瞳をキラキラさせて俺の試合の様子に相槌を打ちながら頷く仕草は、子どもの頃俺の後にいつもくっついていたあの頃のままで本当に可愛らしい。


俺のために強くなろうとした雅。

俺のため約束を守り続けた雅。

俺のために美しく成長してくれた雅。


その事実が嬉しくて…切なくて…

彼女の10年分の想いを考えると何故もっと早く再会できなかったのかと胸が痛かった。


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