Realtime:kiss
そりゃあ、付き合ってるわけでも無い訳で?

友人に毛が生えたみたいな関係だから?

私は素直に感情を表に出せない……




私は蒼佑に言われた通り、改札を抜け駅前のロータリーで蒼佑を待った。


『待ってろ』


命令口調で言われたその一言が心に染みた。


まさか、私って、Mですか?


予告通り蒼佑はやって来た。


いつもの黒いスポーツセダンをスゥッと横付けし、車を降りて私に近付いてくる。


無言のまま、私の手を取り、握り締める。


ドキッ……


そしてそのまま自分の頬にソッと近付ける……


何?どうしちゃったの?


いつもとなんか雰囲気が……


「そう、すけ、君?」


「何?」


私の手のひらを自分の頬に当てながら、じっと私を見つめる……


やだやだっ、ときめいちゃうじゃん!


「冷たくなってる、悪かったな……
こんな寒空にこんなとこで待たせて……」


そして、私の腰に手を回し、身体ごと蒼佑に引き寄せられた。



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