センチメンタル*ガール
今は、佑輔の顔さえもみたくないし
声だって聴きたくない。
何を言われるのかも怖いし
ましてや自分のバイト先だし
"さよなら"の言葉を聞いた瞬間…
自分が壊れてしまいそうな気だってする。
だからあたしは何も話さずに帰る準備を始めた。
「…………。」
「おい、未紗!」
上から降ってくるちょっと怒ったよう佑輔の声。
もう耳を手で覆ってしまいたいくらいだ。
お願いだからあたしの名前を呼ばないで。
「ったく、埒があかねぇ……行くぞ」
席を離れようとしたあたしの腕をグイグイ引っ張って
伝票とお札をレジのカウンターに乱暴に置くとそのままお店を後にした。
でもその前に女の人のテーブルの所に行って「奈緒さん、教えて下さりありがとうございました」と伝えて軽くお辞儀していた。
この人があたしの居場所を……教えたんだ。