センチメンタル*ガール



「瀬戸さ…」



「お前が好きなんだよ。ずっと好きだった」



今までロクに告白なんて自分からしたことなかったからお酒の力がないとこんなこと言えなかった。



と言って彼はそのままあたしの言葉も待たずにキスをしてきた。



その一瞬のキスは憧れていたストロベリー味ではなかったけど



レモンのハイボールの味がした。



悪酔いをしてたとしてもこの恋が一瞬でも叶ったことが嬉しくてたまらなかった。



そしてあたしは瀬戸さんを近くにあったイスに座らせてぽけーっとしながら見つめられている彼に気付かない振りをしながら



冷蔵庫の中にペットボトルの水が入っていないか探して、見つけると



「瀬戸さんの気持ち嬉しかったです。でも瀬戸さんは元の瀬戸さんに戻って下さい」



と言ってあたしは瀬戸さんにペットボトルを渡して一緒にお店の裏口に行った。



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