センチメンタル*ガール



裏口の近くにある階段に2人で座ると瀬戸さんはあたしが渡したお水を飲んでいた。



「瀬戸さん?」



お水を飲んだ後、彼はあたしを抱き寄せてきてあたしはタジタジになっていると



「もう瀬戸さんじゃない。佑輔って呼べ……」



と言うとすーすー寝息を立てながら彼は眠ってしまった。



次起きた時は瀬戸さんはまたいつもの瀬戸さんに戻るよね?



悪酔いしたってことはもしかしたら今さっきしてくれた告白も忘れちゃってるかもしれない。



"記憶にない"って言われちゃったらどうしよう。



「あたしも瀬戸さんが寝ちゃう前にちゃんと"あたしも好きです"ってちゃんと言えば良かった」



怖いよ。怖いよ。



でもお酒飲んで酔った人はたいてい記憶がない。



飲み会して介抱した先輩たちはいつも記憶がなかった。



あたし……やっぱり来なければ良かった。



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