雪風‐冷たくさらっていくもの‐
「with all my love,」
僕が言うと、木葉は溜息をついた。
「愛しいあなたへ
この手紙を書いてる私はあなたに伝えたい言葉を胸に閉じ込めておけなくなってしまった
本当にあなたを愛しているならすべてを隠し通せるはずよね
それなのにこうして証拠に残してしまったことをあなたは怒るかしら
大好きよ
本当に、心から
たった一言すら隠し通せないくせに、この一言を口にする勇気もないなんて
だからこの手紙は燃やしてしまおうと思うわ
私の想いごと、灰にして覆って消えてしまえばいい
with all my love,」
木葉は小テストの英文を最後を残して全て和訳した。
「馬鹿にするにもほどがあるわ」
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