冬が、きた。





食べ終わった後、今日は慎くんが食器を洗うと言った。


「慎くん疲れてるんだから、そんなの、私がするのに」


「疲れてるとか疲れてないとかじゃないの。最近ずっとやってもらってたから、今日は僕がやる」


「じゃ、じゃあ、お願いね。ありがとう」


「うんっ」


そう言って慎くんは台所に歩いていった。


その間、私はぼんやりとテレビを見ていたのだが。


……なんとなく、落ち着かない。


仕事をとられちゃった感じ。


手持ちぶさたって言うか、何ていうか。


私がそんなことを考えている間に洗い物を終えた慎くんは、台所から戻って来て、こたつに潜り込んだ。


2人でテレビを見つめる。


「………慎くん、今日は何時に寝るの?」


慎くんにそう聞くと、返事が無かった。


「………?」


視線をやると、テレビを見ていると思っていた慎くんは、またいつものように黙々とスコアに目を通していた。


………ああ、聞こえてない。


ちょっと落ち込んだ。




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