冬が、きた。





そして一旦、緞帳が降ろされて、10分間の休憩を挟んだ。


私は、どうしようもなくドキドキしてしまって、鳥肌が立っていた。


思わず、ふう、とため息が出る。


身体が暖かくなって、手を当てると、頬が熱かった。


次は、第2部が始まる。


……早く始まらないかなあ。


緊張していたのが嘘のよう。
とっても楽しい……。


私は辺りを見回して、サックスパートが配置されている舞台上手の真ん前に、空いている席を見つけた。


……………。


私はそろりと立ち上がって、通路を歩き、その席に座った。


………慎くんのこと、近くで見たい。


良いよね。


そうしているうちに、また客席の照明が消えて、幕が上がった。


吹奏楽曲が中心だった第1部とはガラリと雰囲気が変わり、ジャケットを脱いでラフなシャツ姿になった演奏者達が、ニコニコと座っている。


パンフレットを渡していたサンタの女の人が、明るく司会進行をしていく。


舞台上にいる慎くんを見つめていると、何気なく客席を見渡した慎くんと目が合った。


慎くんは驚いたように、ビクッとした。


…………ちょっと、恥ずかしい。


ぎこちなく照れ笑いをすると、慎くんも照れたように笑い返した。




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