お腹が空きました。
「全然仲いいじゃないですかー。素敵だと思います。あ、そこですそこですそのアパート。」
ニコニコしながら前方を指差し、紗耶は降りる準備をした。
キュッと車が止まり、杉崎がヘッドライトを消す。
「杉崎さん、ありがとうございました。」
「おう、とっとと寝ろ。遅刻すんなよ。」
はーい。と返事をする紗耶に手だけで返事をし、杉崎はバタンと扉は閉めた。
ウイーン
「?」
てっきりそのまま出発するもんだと思ったが、降りてきた窓から杉崎がこちらを覗き込んで釘を刺す。
「お前、会社でぜっっっったい俺が作ったっていうなよ。」
少しかがみながら聞いていた紗耶は冷や汗を流しながら、怖い顔をしている上司に何度も頷いた。
ブロロロ…
「….。」
なんだかなあーー。
走り去って行く車を見つめ、紗耶は困った顔をしながらクスリと笑う。
「そんな事気にする必要ないのになー…。」
そんな独り言が夜の空にふわりと消えて行った。