お腹が空きました。
食器を片付けようと席を立つ杉崎の背中を見つめ、紗耶は拍子抜けしたように肩を下げた。
…ふーん。そっか。
“俺が作ったもの以外甘いもん禁止。”
“…好きにしていい。”
…。
何故だろう。
なんだか妙に、……。
…一瞬心にすきま風でも吹いたような気持ちになった紗耶は、いやいやいやいやなんでですか、と気持ちを切り替え、甘いケーキをもう一口食べて呑み込んだのだった。
◆
「……………ん?」
私服に身を包んだ紗耶は、隣にいる由美をきょとんと見上げた。
「……えへ?」
冷や汗を流しながらニッコリ微笑む由美を見つめ、紗耶はまた夜の商店街に似合わないポンッと置かれた長机に視線を戻す。
【街コン~受付~】
西丸町商店街大企画!!と煽りが書かれた大きな垂れ幕に、紗耶はくるりときびすを返した。
「待って待って紗耶っ。」