お腹が空きました。


悪い方に酔いが回ってるらしい男性二人組は紗耶と砂奈子の席に無理やり椅子を持って来て断りもなく座る。


「おネーサン達街コン参加してる人?女だけで飲んでるって事はあぶれ組?かっわいそー。俺らが相手してあげよっか。」


「…?」


妙に距離が近い男に紗耶は怪訝な顔をしながら首を傾げた。

“街コンに参加してるの?“って、今日は街コンの貸し切りになってたはず。

そんな質問してくるって、なんだか変だなと男性の胸にあるパスカードをなんとなく見つめると、

「(あれ、…一緒の色してるけど、これなんか違う。)」


「紗耶、行こ。」


砂奈子に腕を引っ張られ、紗耶はわたわたなりながら席を立った。


店を出ながら砂奈子が眉を潜める。

「気付いた?あいつらカード偽造してた。セコい。鬱陶しい。最低。」

「あー…。」


由美の幼馴染のご好意で自分も安く参加させてもらってる手前、あんまり強くは言えなかったが、紗耶もあのニヤニヤした不躾な視線は好ましくないなぁと思った。


「ちょっとー、待ちなよー。」

え。

まさかと思って紗耶達は振り返る。

ヤバイ。

足元はフラフラしつつも、さっきの二人組がケラケラ笑いながら追いかけて来ていた。



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