お腹が空きました。
危ないって、いやいや大丈夫、そんなことないって、と言い合う二人に譲原がゆっくり紗耶の背中を押した。
「…え、…え?」
振り向く紗耶に譲原がボソッと口を開く。
「…送る。」
「え!」
「うん!じゃあよろしくね!」
安全を確保出来てホッとしたのか砂奈子は笑顔で手を振って去って行った。
「…。」
「…。」
残された紗耶と譲原の間にまた沈黙が流れる。
「…んと、じゃあよろしくお願いします。」
紗耶はぺこりと頭を下げ、譲原もこくんと頷き、二人は微妙な距離感で歩き始めたのだった。
◆
「…。」
「…。」
うーーーん……。
駅までの道のりがやけに長く感じる…。
紗耶は頭の中で何か話題は無いかと走り回っていた。
今日はほんと良く走る日である。
「…良くないと思う。」
「…へ?!」