お腹が空きました。
ドッドッドッ
妙に脈が速くなる。
でもこのドキドキは嫌いじゃないなと紗耶は思いながら杉崎を見上げて聞いた。
「今日は、その、…いっぱい混ぜますか?」
「混ぜる?」
「えっと、泡立てるというか、こう、シャカシャカシャカシャカって。」
「んあ?あぁ、まぁな。メレンゲも作るし。」
それを聞いた紗耶は隠してもこぼれる笑顔を振り払いながら自分の膨れたカバンにかけ戻る。
「…なんなんだ?」
キッチンでぽかんと立っている杉崎をバックに、紗耶はウッキウキしながら四角い包装されたプレゼントを取り出した。
「へへへーっ!ジャーン!」
満面の笑みで差し出された品に、杉崎は目を点にしてただただ固まった。
「…俺、誕生日でもなんでもないんだけど。」
「日頃のお礼ですー!杉崎さんいつも美味しいお菓子作ってくれてありがとうございます!」
“父の日”チックなセリフ付きで渡された結構重量感のあるプレゼントを杉崎はしばらく眺め、そして紗耶に視線を移し訊ねた。
「あぁ、と。…開けて良いのか?」
「はい!どうぞどうぞ‼」
ウキウキしながらさぁさぁっ!と手をバタバタさせる紗耶に杉崎はおずおずと包装紙をほどいた。
「‼」