お腹が空きました。
「どうですどうです?」
目を見張る杉崎に紗耶はもう嬉しくってたまらないとばかりに甘い香りのする狼さんの顔を覗き込んだ。
「おっ前、これ、キッチンエンドウじゃねえか…っ!」
おおおおっ!とハンドミキサーの箱を興奮したように距離を離して抱える杉崎に紗耶はキョトンと質問する。
「キッチン?」
「キッチンエンドウだよエンドウ。お前知らねぇで買ってきたのか?…まぁ知ってる方がマニアックか。とにかくすげぇやつって事。」
「おお。」
全然知らないで買ってしまった。
紗耶は逆にキョトンとしながら、始めてみる杉崎のはしゃいだ顔を見つめた。
「おぉっ!変速が5段階もあるじゃねえか!わっ色んな形の先っぽ入ってる。…なんに使うんだコレ、おもしれぇー。全身メタルってのもいいもんだな。」
くるくる向きを変えたり泡立て器を取り付けたり外したり。
自分が選んだ色まで気に入って貰えて、紗耶はこそばゆくなりながらへへへと笑う。
「夜でも静かに使えるって書いてあったので…。」
「使っていいか?」
「どぞどぞー。」