お腹が空きました。
♪♪♪…
オーブンの音が鳴る。
杉崎は熱い鉄板を取り出して焼きあがりを見た。
「…あーあ。」
「ど、どうしたんですかっ?」
は…っ!
まさか焼きあがりが良くなかったのかと紗耶は前に乗り出した。
そんな紗耶から鉄板を遠ざけながら杉崎は注意する。
「あぶねぇっ…っ!まだ熱いんだぞっ!…はぁ、…ちげぇよ。ブツは上々だ。」
キョトンとする紗耶に杉崎は横を向きながら言った。
「…その、あれだ。…こんな話誰にもした事ねぇんだよ、…なーんで言っちまったかな、俺。」
すごく気まずそうに杉崎はケーキを鉄板から丁寧に降ろす。
なんだそんな事…、
情けねぇ、情けねぇ…とぶつぶつ腐る杉崎を紗耶は不思議そうに見つめながら質問した。
「あの、杉崎さん。」
「あん?」
「一つだけ、質問していいですか?」
「ああ、なんだ?」
「杉崎さんってちっちゃかったんですか?」
「そこかよ!」
今の話を聞いて注目するところがまさかの身長…っと、杉崎は軽くため息をつく。
「やぁ、だって、全然そんな風には見えなくって。」
「いや、だいぶチビだった。目つきの悪い凶暴チビ。」
俺もだいぶ丸くなったな、と、じみじみ懐かしむ杉崎を見上げ、紗耶はさらに聞いた。
「え、じゃあ、いつそんなに伸びたんですか?」
「んー、中3から3年間ぐらいで一気に伸びたな。145センチから186センチ。」
はぁ⁈と紗耶が口を開く。