お腹が空きました。
「そんな事あるんですか?!」
「あったんだから仕方ねぇ。」
バタン、と粗熱が取れたスフレチーズケーキを冷蔵庫にしまいながら杉崎がきっぱり言い放つ。
鉄板洗いに取り掛かりながら杉崎はニヤリと笑った。
「羨ましいか、ちんちくりん。」
「ちんちくりん言わないで下さいっ」
キーっとなっている紗耶を見下げながらクスクス笑い、杉崎は手を拭いて廊下へ歩き始めた。
「風呂洗いしてきていいか?」
「どうぞどうぞ。」
脱衣所に消えていった杉崎の背中を見送り、紗耶はリビングのソファに小さくゴロンと転がりくつろぐ。
ちょうどいい広さに居心地のいいソファ。
甘い匂いにペコペコのお腹。
ほんの少し、杉崎さんの香り。
うとうとしながら紗耶は時たま錯覚する。
「(私、杉崎さんに飼われてるなにかみたい。)」
……
「私、動物に例えると、なんになりますか?」
杉崎はスフレチーズケーキを口に放り込みながら、はぁ?と顔を渋らせた。
「出たよ女が良くする質問。」
めんどくせぇ、他を当たれ、と杉崎はフォークを扇ぐ。
「そ、そんな風に言わなくてもいいじゃないですかー。」
若干しょげながら紗耶はケーキを頬袋に入れる。
「嫌だ。お前ら可愛い動物に例えなきゃヘソ曲げるだろ。めんどくせぇ。」
誰と一括りにされているんだと紗耶は珍しくムッとしながら二個目のケーキに手を伸ばした。