お腹が空きました。
「もう、別にヘソ曲げませんよ。どうぞ正直に答えて下さい。」
こほんと咳払いし、紗耶はキチンと背筋を伸ばす。
あ?とやる気なさげの杉崎は、しばらくしてもジッと動かない紗耶に「…はぁ。」と降参したようにフォークを皿に置いた。
すまし顏の紗耶を、杉崎は肘を付きながら上から下へゆっくりとなぞるように見つめる。
「…ふーん。」
くいっと口角をあげながら杉崎は何故かそのまま黙った。
「…。」
…なんだ。なんなんだ。
「…。」
「……。」
な、なんか喋ってくれっっと思いながら紗耶は膝に置いた両手にぐっと力を入れる。
…変な感じ。
杉崎さんと目があっているのに、お互いにただ無言だなんて。
紗耶は自分でふったのにも関わらず妙な気恥ずかしさでたまらなくなってきていた。
そんなに見ないで下さいなんて今更言えず。
なんだこの雰囲気。なんだこの大人な視線。
杉崎のいつもと違う眼にたじたじしつつ、「やっぱもうイイです。」と言いかけたその時。
「…部位で言っていいか?」
ぶ?
頬杖をついたままの杉崎を紗耶は眼を点にして眺めた。
「まず、胃は間違いなく象。許容量は陸上最強並だ。」
胃?
内臓を動物に例えられながら紗耶はまだ体を固めている。