お腹が空きました。
杉崎さん顔には出さないだろうけど喜ぶだろうなぁ。
本人は認めないけど可愛いもの大好きだしなぁ。
ウキウキと戻る紗耶の目に、
「(ん?)」
予想外の光景が飛び込んで来た。
「そうなんですかぁ?やだ、地元の方なんですねー、良かったら案内してくれませんか?」
「いい考え!私たちここらへんよく知らなくてー。一緒に回りましょ?いろいろ教えて下さーいっ。」
少し離れた場所で足を止めた紗耶はアイスを両手に持ったまま固まった。
こ、これは…。
「いわゆる逆ナン…っ‼」
まさか生で目撃するとは思わなかった。
ベンチに座る杉崎に可愛い女の子二人が立ったまま遠慮がちに話しかけている。
女子大生?
会話から、どうやら遠くから来た事が伺える。
紗耶は貴重なものを目撃しながら思い出した。
杉崎さん、格好良かったんだった。
ぼんやりとそうだったなぁと思いながら紗耶は恐る恐る一歩近付く。
やー、しかしそれよりも。
「本当に格好良いですよねー。おいくつなんですか?」
「そんな事ないよ。あー、27。」
いつもの威圧感を引っさげて、にこやかに答える杉崎に紗耶はじとりと苛立ちが混じった視線を投げかけた。