お腹が空きました。
「お、お待たせしましたーーー。」
ぎこちない笑顔を貼り付けて、紗耶は駆け足で杉崎に近寄る。
それをぎょっとしながら目を丸くし、女子大生達は気まずそうな顔をして見つめた。
「やだ、すみませーんっ。そうですよねー、こんな方が一人でいるなんて変だと思ったんですよーっ」
「ごめんなさいっすぐ消えるんでーっ」
案外良い人だったらしい二人組はそそくさと別のエリアに姿を消していった。
それを見送りながら紗耶は両手にある溶けかけのアイスを見つめ、鼻からふんっと息を吐く。
「…あーあ、」
「あーあ、じゃないですよーっ」
頭をかきながら猫被りをやめた様子の杉崎はふてぶてしく足を組み直した。
「はい、どーぞ!」
紗耶はむすっとしながらブサイクな方のパンダソフトクリームを杉崎に突き出す。
「一人で来てるって嘘ついたんですか?」
軽蔑の瞳で見上げながら紗耶はぱくりと一口アイスを食べた。
「ついてねーよ。ただ黙ってただけだ。」
「一緒の事ですよっ!」
しれっという杉崎に紗耶は珍しく毛をさかだたせる。