お腹が空きました。
「…。」
杉崎は頭を抱え、はぁ、と諦めたようにため息をつき、目を瞑る。
「そうだ。俺の下の名前は…、」
bbbbbbbbb…
え、と紗耶は机の上に置いてあった杉崎の携帯をみた。
なんてタイミングのいい。
杉崎は携帯を耳に当て、返事をする。
「はい、もしもし。」
ドカンッという効果音が聞こえて来そうなぐらい、紗耶の耳にも届く大声で相手が叫んだ。
『いちくーんっ!助けてーーっっ!』
「………。」
杉崎はげんなりと肩を落とし、渋々返答する。
「…どうしたんです、」
『緊急のブライダルに出すデザートのケーキ部分亜栗がまた引き受けて来たっ。アイスとか他のパーツはそっちで準備出来てるらしいんだけど…業者も救急車みたいにうちの店に回してくるのもうどうにかなら……』
「どれとどれの手が足らないんです?」
今の声は……、
紗耶はふわんふわんのメレンゲを思い出し、だらだらと会話を続ける杉崎を見つめた。