お腹が空きました。

ちょっと色褪せている柱を見ると、改装したのは店の方だけのようだ。

それでもこれだけ綺麗に使われているのなら、家も喜んでいる事だろう。

紗耶は柱の身長傷にほくそ笑みながら亜栗を待った。


「お待たせーっ!これがね、いっちゃん。」

「うわっ!かっっわい…っ!」

小走りで帰ってきた亜栗の手元には、既に開かれたアルバムが一冊。

二人で机の上のカラフルなページを覗き込みながらはしゃいだ。

杉崎の話からは得られなかった小2の頃の美少女っぷり。

「あ、本当だ。杉崎さんが一番ちっちゃい。」

クリックリの瞳に白い肌。

長めのショートに細い手足。

他の同級生と並ぶと本当に女の子みたいだった。

今の彼からは想像も出来ない。

「可愛いでしょー?この頃男の子からいじめっていうか、よくからかわれててね。ほら、学校行事の写真半分は涙目。フフっ。名前もさ、イチゴだからだいぶ標的にされたみたいよー。で、こっちの悪ガキは私。」


…え、



「イチゴ?」


紗耶はナチュラルに出て来た杉崎の下の名前に顔を上げた。

そんな紗耶をキョトンと見つめ、亜栗は口を丸める。

「え、何、いっちゃんまだ言ってなかったの⁈」

「や、え、はぁ、まぁ…。」

驚愕する亜栗に紗耶はたじたじになりながら頭を掻いた。



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