お腹が空きました。
◆
とっくに0時を回り、ボフッと紗耶はソファにダイブする。
「ううーー…、眠い…甘いもの摂取しないとー…。」
「馬鹿やろ、今日はもうやめとけ。」
予想以上に、ハードな一日だった。
このまま沈むように眠ってしまいたい。
なんでこの部屋こんなに居心地良いんだろうと紗耶は手足をだらんと伸ばした。
その後ろで杉崎がテキパキと動き回る。
「おい、シャワーだけでも入れ。」
「…はーい。」
化粧だけ落として、朝シャワーあびようかなと怠け心を出しかけていた紗耶は決心したように返事をした。
「…、杉崎さん、なにしてるんですか?」
やっとの事、体を起こした紗耶は、振り返って遠慮がちに尋ねる。
「何って、見た通りだ。」
キュッキュキュッキュとキッチンを磨きに磨いている杉崎を紗耶はすんげーと見つめた。
「杉崎さんって、やっぱり綺麗好きですよね。」
「んあ?」
別に…と杉崎は複雑な顔をする。
「ピカピカな状態が気持ち良い、とかですか?」
「それもあるけどな…。…なんていうか、…」
もごもごと珍しく口ごもる杉崎に、紗耶は近付いて聞き返した。
「え、いまなんて言ったんですか?」
「あー…だからだな、…いつも御苦労さん、みたいな…、な…。…あーもういい!早く風呂に入れ‼」
ぐわっと怖い顔をして背中を押してくる杉崎に、紗耶はきょとんとした。