お腹が空きました。







コトコトと鍋の鳴る音で、紗耶はゔゔー…ん、と目をこする。

肌に直接触れるシーツの滑らかさに紗耶は怠い身体をまた横たえさせた。

あんまり力が入らない。

散々鳴かされた挙げ句、羽根も綺麗に剥ぎ取られ、熱い鍋に放り込まれてグラグラに煮込まれた後、宣言通り骨までキッチリしゃぶられた紗耶には、一滴の体力も残っていなかった。


寝室まで広がる美味しそうな匂いに、杉崎さんって本当にタフだなと呆れたように感心しながら紗耶は気だるげにシーツの上を転がる。

なんだろう、この胃を刺激するような美味しそうな香りは。

鼻をすんすんいわしながら紗耶は凹むお腹を片手で抑えた。


「ポトフかー…。」

杉崎さん、最高です。


じゃがいもとベーコンが煮込まれる柔らかい香りに、紗耶はとうとうベッドから身体をゆっくり起こした。


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