お腹が空きました。
杉崎は複雑そうな顏をしながら机を磨く手を止める。
「4年前…。」
「よ、…4⁈」
意外な数字に紗耶はスポンジを落としそうになった。
「なんだよ、文句あんのか。」
「いえ、杉崎さんモテそうなのになぁ、とか思いまして。ほら、この前の逆ナンとか?」
紗耶は人差し指を立ててゆらゆら揺らす。
そんな紗耶の様子を見ながら、杉崎はちょっと気まずそうにため息を付いた。
「…息が詰まるんだとよ。」
「息?」
「息だ。」
キュッと机を拭き終わった杉崎がキッチンに回ってフキンをさっと洗い出す。
「俺と居ると、姑と居るように感じるらしい。まぁ、他にも色々原因はあるんだろうけど、たいがいそんな理由で3回ぐらいダメになった。」
「へー。確かにお母さんぽい。」
隣であっけらかんと納得する紗耶に、ジロリと杉崎は視線を送る。
「嫌なんだろ、お前も。」
「え?」
紗耶は、ん?と首を傾げた。